こんにちは、清瀬いんどう歯科の田中です(^.^)
今回は人間の歯とワンちゃんネコちゃん
の歯についてお話します
まず、人間は虫歯になりやすいのに比べ、犬や猫は虫歯になりにくく
歯周病になりやすいという特徴があります
人間のお口の中は弱酸性~中性なのに対し、犬や猫のお口の中はアルカリ性と
大きな違いがあります。この性質の違いにより、繁殖しやすい細菌が異なり、
酸性では虫歯菌が増殖しやすく、アルカリ性では歯周病菌が増殖しやすくなっています
また、このような性質の違いは歯石が形成されるまでの速度にも大きく関わっており、
食事中や食後に歯に付着した歯垢が石灰化し歯石になるまでの日数は…☟
人間で約15日間
犬では約3日間
猫では約7日間
このように人間と比べて数倍の差があります
犬や猫の口腔内の病気やトラブルのほとんどの原因が歯石とされているので、
歯石は最も気を付けるべきリスクと言えます
人間も8020運動といって歯周病や虫歯から自分の歯を守ることが推奨されていますが、
ペットのお口のお悩みで一番多いのが口臭の原因にもなる歯周病だそうです
犬の3歳以上の75%、猫は感染症がもとで若い頃から歯周病にかかることもあります
そんな歯周病は口臭の原因にもなりますが、他にはどのような口臭の原因があるのか
【人間の口臭の原因】
歯周病
虫歯
舌苔
口腔内の乾燥
口腔癌
詰め物や被せ物の不適合
入れ歯やブリッジのお手入れ不足
ニオイの強いものを食べた時
糖尿病
ホルモンバランスの乱れ
肺癌・肺腫瘍
逆流性食道炎・食道癌・胃癌
中耳炎
副鼻腔炎
扁桃炎・咽頭炎・咽頭癌
【犬や猫の口臭の原因】
歯周病・歯肉炎
口腔内の乾燥
口内炎
口腔内腫瘍
内蔵疾患
肝機能不全
腎機能不全
腸閉塞
重度の便秘
ペットフード
【人間の歯周病の症状】
第1段階…歯肉炎
歯周病菌が侵入すると、歯肉は炎症を起こして赤く腫れて出血していきます
第2段階…軽度の歯周炎
歯肉がむずがゆかったり、歯茎に触るとブヨブヨしたりしますが、
この時点では異変に気付かずに進行していくことがほとんどです
この状態で異変に気付いて歯周病治療を始めれば回復可能になります
第3段階…中等度の歯肉炎
炎症が強くなり歯茎の色が赤、ピンク、紫が混じった見た目になります
また、歯肉がだんだん下がっていき、根元部分が徐々に露出していくので
歯が長くなったように見えます
そして、歯の揺れ・違和感・口臭などの症状も出てきます
第4段階…重度の歯周炎
歯肉は下がり、歯の隙間は広がり自覚症状がでやすいです
歯肉からは血と膿が出て口臭が一層強くなり、歯はグラつきます
終結期
骨が溶け、歯が抜け落ちてしまいます
歯周病はゆっくり進行していくことが多く、
歯肉炎から歯が抜け落ちる症状になるまで15〜30年程です
さらに、そこに喫煙や糖尿病のリスク因子があるとさらに進行が早まります
【犬や猫の歯周病の症状】
犬や猫の場合は人間とは違って、毎食後や一日に何回も歯磨きなどの
ケアをすることが難しいので、歯石や歯垢がどうしてもついてしまいます
汚れがたまるとニオイの原因になったり、歯茎が腫れる症状がでてきます
歯石の付き方が気になりはじめるのは3~4歳からですが、
歯茎のトラブルはもっと前から起こっている場合が多いようです
歯周病は進行すると歯と歯茎の間にある歯周ポケットに汚れがつまり、
症状の出方は動物種や性格によって異なりますが、食べる勢いがなくなったり
硬いフードを嫌がる子もいます
いずれも、犬・猫共通しているのは口臭の強さです
歯周病は遺伝的なことよりも、環境的なことが原因になることが多く、
犬の場合だと種類によって顔の形が大きく異なるため、
ダックスフンドなどの顔が長い犬種はより歯周病になりやすく、
また、大型犬よりも小型犬の方が歯周病になりやすいといわれています
人間の歯と犬猫の歯~前編~は歯周病と口臭についてでした
次回は歯の役割や抜歯についてお話します
NEXT▷▷人間の歯と犬猫の歯~後編~
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